ごねんぶりにどめの

時代を嘆くなって、言ったじゃないか!

自由の鐘を鳴らすとき―舞祭組『Fire&Lightning』意訳―

 

突然だが、アルバム『舞祭組の、わっ!』ボーナストラック*1である全編英語詞の楽曲『Fire&Lightning』を意訳したものをここにまとめようと思う。というのも、これまでは曲調だけで「カッコいいな、お洒落だな」と思うくらいの聴き方をしていたが、意訳してみたところ「待て、もしや舞祭組めちゃくちゃかっこいいこと言ってる……!?」と舞祭組に対する熱量が軽率に高まってしまったためである。

この解釈はどうすればいいものか……と頭を抱えた部分もいくつかあるが、訳する際に調べたことも書き残しながら現時点での解釈を載せることにする。著作権についてはこちらのサイトを参考にさせていただきました。

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『Fire&Lightning』
歌:舞祭組 作詞︰Jeff Miyahara 作曲:Jeff MiyaharaErik Lidbom


【*】
We are We are
The generation of a brand new star!
We are We are
The generation of a brand new star!
BOOM!
(前代未聞のアイドル、ここに誕生!)

*generation(不可算名詞):発生、生成(the generation of~)
*starは文字通り「人気者」「スター」と直訳できるが「アイドル」とした


I know you like it when I’m screaming like an animal
Don’t You Lie, Don’t You Lie
I know you wanna cause the feeling is incredible
Don’t You Lie, Don’t You Lie
(俺は知っているんだ、まるで一匹の動物にでもなったかのように咆哮する俺と同じような様相のお前を。嘘をつくな。)
(何か信じがたい感情を欲しているお前を俺は知っている。嘘をつくなよ。)

*"you wanna cause"="you want to cause"
(cause+名詞+動詞の語順での訳し方が最後まで分からないまま意訳したので教えて賢い人……)
*incredible(形容詞):信じられない、信じがたい


【**】
People call us crazy, the attraction is electrical
Get your body ready, cause the fire’s not controllable
Let Your Freedom ring!
Yeah!
(人々は俺たちを狂っていると言う、それほど俺たちの持つ魅力は強烈だ)
(さあ支度をしろ、自分じゃどうにもできない炎を燃え上がらせろよ)
(お前の胸の中にある、自由の鐘を鳴り響かせろ)

*electrical=electric(形容詞):わくわくさせる、強烈な、電撃を与えるような
*let freedom ring:自由の鐘を鳴り響かせる


【***】
So We Are Like The Fire&Lightning
YEAH We’re the One and Only, We’re the One and Only
Can You Feel The Fire Rising?
You Gotta Feel You GOTTA FEEL!
We Control The Fire&Lightning
YEAH We’re the one and only, We’re the one and only
Can’t Stop Won’t Stop, Everybody BODY ROCK
Crazy… we’re CRAZY!!!
(そう、俺たちはまるで燃え盛る炎のようであり目に痛いほど眩しい稲妻のよう)
(俺たちは唯一無二の存在だ)
(お前は、胸の中に炎が立ち昇り燃え上がるのが分かるか?いや、感じ取れないとダメなんだ!)
(俺たちは燃え盛る炎や強烈に輝く稲光すら支配しているんだ)
(俺たちは唯一無二の存在だ)
(止められない、止まりたくない、ここにいる奴ら全員、体揺らして最高な気分になろう)
(狂ってるさ……俺たちはみんなクレイジーな奴らなんだ!)

*gotta=have got to
*rising(形容詞):上昇する、立ち昇る
*body rock:体を揺らす
(調べていてrockにはスラングで褒め言葉を意味することもあるという解説を見つけたのでそのニュアンスも意訳に込めた)


We are We are
The generation of a brand new star!
We are We are
The generation of a brand new star!
(【*】に同じ)


I know you wanna party like we’re at a carnival
Don’t You Lie, Don’t You Lie
Your body language is so guilty like a criminal
Don’t You Lie, Don’t You Lie
(俺は知っているんだ、お前がカーニバルのようなお祭り騒ぎのパーティーを求めていることを。嘘をつくな。)
(お前の体から発せられるメッセージはまるで罪人のように罪深い。嘘をつくな、嘘なんてつけない。)

*carnival(名詞):お祭り騒ぎ


People call us crazy, the attraction is electrical
Get your body ready, cause the fire’s not controllable
Let Your Freedom ring!
Yeah!
(【**】に同じ)


So We Are Like The Fire&Lightning
YEAH We’re the One and Only, We’re the One and Only
Can You Feel The Fire Rising?
You Gotta Feel You GOTTA FEEL!
We Control The Fire&Lightning
YEAH We’re the One and Only, We’re the One and Only
Can’t Stop Won’t Stop, Everybody BODY ROCK
Crazy… we’re CRAZY!!!
(【***】に同じ)


Don’t stop cause the beat’s on fire
Catch you breath cause it’s just so wild
CRAAAAZY!!
Everytime that the beat goes BOOM
All the party people going crazy in the room
So blaze it up and blaze it up
So CRAAAAAAAZY!!
(鼓動を高鳴らせるのをやめるんじゃない)
(呼吸が激しくなるのを感じ取れ)
(いつだって鼓動はとどろくように高鳴っている)
(この部屋で、パーティー好きな奴らみんなが狂ってく)
(燃え上がらせろ、燃え上がらせろ)
(めちゃめちゃクレイジーだぜ!!)

*on fire:興奮して、やっきになって
*wild:興奮した、狂乱した (口語)楽しい、愉快な
*blaze up:燃え上がる


That’s right… Are you ready? Are you ready?
(そう、それでいい……準備はできてるか?)


So We Are Like The Fire&Lightning
Can You Feel The Fire Rising?
HERE WE GO !!!!!
(そう、俺たちはまるで燃え盛る炎のようであり目に痛いほど眩しい稲妻のよう)
(お前は、胸の中に炎が立ち昇り燃え上がるのが分かるか?)
(さあ行くぞ!)


So We Are Like The Fire&Lightning
YEAH We’re the One and Only, We’re the One and Only
Can You Feel The Fire Rising?
You Gotta Feel YOU GOTTA FEEL!
We Control The Fire&Lightning
YEAH We’re the One and Only, We’re the One and Only
Can’t Stop Won’t Stop, Everybody BODY ROCK
Crazy… we’re CRAZY!!!
(【***】に同じ)


Hey, you’re so CRAZY!
(ははっ、お前もすっかりクレイジーな奴に成り下がっているじゃないか!)

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意訳としては上記になったわけだが、この歌詞全体をおおざっぱにくみ取ると「俺たちと一緒にバカになろうぜ」だと思う(余談ですがこれは関ジャニ∞の村上さんがコンサートのアオりでよく言う言葉です)。ストーリーとしては、ファンたちが日常生活では表に出さない熱量の大きな感情をアイドルが引きずり出し、最終的に皆で熱狂の渦に巻きこまれる、というもの。

まずこの曲の主役となっているのは、他ならぬ舞祭組本人たちと考えた。だから①⑤のstarはアイドルと訳すことにした。そして曲中でyouと呼び掛けられるのは我々ファンである。

風景は、⑨でin the roomという言葉が出てくるところからコンサート会場をイメージした。それもレーザーがガンガンに使えそうな大きいハコ。⑥のparty、⑨のparty peopleといった言葉が使われているところから、規模が小さくてはパーティーと呼ぶに相応しくないと思ったからだ。

意訳をする中で最もぞくぞくさせられたのは、サビ前に当たる③⑦。the fireがnot controllable(制御できない、支配できない)と来て、Let Your Freedom ring!自由の鐘の音を響かせろ!と来る。訳した瞬間に「……ここの歌詞、もしや最高オブ最高では?」と今さらな気付きを得た。日本語訳をなんとなくでも分かってしまうと、サビ前にギリギリまで引き上げられ高められていく感覚が一気に襲い掛かってくる。そして"So"で鐘を打ち鳴らすかのごとく勢いよくスタートダッシュを切り、「俺たちに付いてこいよ!」とオラオラさが最高潮に達したサビに突入。あとは流れに身を任せるがまま。

つまり『Fire&Lightning』はカモンという言葉を歌い手が使うことなく我々がカモンさせられる数少ないキスマイ楽曲(厳密には舞祭組名義だが)とも言える。*2

 

これまで書いてきた内容は、あくまで誰の解釈も見ずに書いた意訳と個人的解釈及び感想なので、皆それぞれ自らの内に思い思いの『Fire&Lightning』を描けばいいと思う。メロディーを聴くだけでもいい意味で舞祭組らしくないお洒落な楽曲であるとすぐに分かるが、一歩踏み込んでみるとより味わい深く、舞祭組に強烈なときめきを覚え引き込まれてしまう。

それがまさにアルバムの最後を飾るに相応しい『Fire&Lightning』という楽曲だと思う。

ここからは蛇足となるが、個人的には、②⑥の意訳がなかなかに直訳っぽいのでどうにかならないか……と思いながらもそのまま載せたので、ここはもっとカッコよくできそう。あとはparty peopleやcrazyなど、カタカナ言葉で使われるものにどのような言葉をあてるのかも改良の余地はあるかもしれない。しかし最も頭を悩ませたのは、タイトルでもあるFire&Lightningをどのような言葉で表現すればよいのかということであり、未だに解に辿りつけていない感が拭えない。

  

  

舞祭組の、わっ! (初回生産限定盤A)

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*1:ボーナストラックと言いつつ3形態すべてに収録されているが、曲を聴けばボーナストラックとして区別したい気持ちはすぐに理解できる

*2:歌詞に「come on」を含む楽曲が異常に多いKis-My-Ft2。デビュー後から3月発売シングル『INTER』までで26曲あるとのデータが5月発売アルバム『MUSIC COLOSSEUM』特典映像で公開された。

グレースーツに隠れた逞しい体躯に惚れるがいい―『舞祭組村のわっと!驚く!第1笑』―

 

2018年1月11日、舞祭組として初めてのコンサートツアーである『舞祭組村のわっと!驚く!第1笑』大阪公演に行ってきた。

公演の内容等はこちらのnoteにまとめたのでここでは割愛し、初めて公演を見た時点での個人的な感想を書きたいと思う。

(※セトリや衣装、演出等のネタバレは避けますが、パンフレットの内容や曲について一部触れるので、知りたくない方はこれ以上先に進まないことを推奨します。)

 

 

 

 

 

コンサート前、わたしの頭には内容についての様々な疑問や不安が代わる代わる湧いていた。持ち歌は12月発売のアルバム収録曲が全てだけど公演時間はどうなるのか、少ない曲数でセトリはどうするのか、舞祭組名義以外の曲も構成に入るのか、1日3公演もやって体力はもつのか、等々。大丈夫かなという不安と、大丈夫だろうという期待がない交ぜになっていたように思う。
(※繰り返しになりますがセトリや公演時間についてはここでは書きません。)

不安も抱えつつ、そうして脳内を巡っていた色んな疑問の答え合わせが出来ることにわくわくしながらコンサートに臨んだ。

終演後に改めて公演中の自分を俯瞰すると、始めは不安まじりの姿勢で臨んでいた自分は公演が進むにつれ影を潜め、最後の方では頼もしい4人の姿に休む間もなくどきどきさせられている自分がいた。感情が忙しいとはこれのことか、といった風だった。

 

コンプレックスを乗り越え舞祭組最強の兵器へと変化を遂げた、横尾渉
みんなの平穏を保ってくれるリーダー、宮田俊哉
舞祭組や中居さんへの想いが誰よりも強いアツい男、二階堂高嗣
多才な舞祭組イチのアーティスト、千賀健永。

グッズのパンフレット内でメンバー一人一人について各人が話している箇所から言葉を抜粋しメンバー4人を言い表してみると、時間を経て舞祭組内での役割分担が確立されてきたように思う。目立たなくて必死にがちゃがちゃしている集団ではなく、己の役割を理解した上で仕事をし支え合っている4人が作り上げたチーム。それが今の舞祭組であり、地に足の着いたどっしりして頼もしい印象を受けた理由はそこにあると思っている。

 

舞祭組がパフォーマンスをする上で、おそらく“一生懸命”が重要なテーマの一つとなっていて(パンフレットを読むとそう思う)、実際結成当初から「一生懸命物事に取り組むこと」に対する価値は持ち合わせていたと思う。

しかし今の舞祭組は、「一生懸命取り組むこと」そのものに付いてくる価値の先にある、「演出として優れたものを生み出すことができる」という価値を獲得している(キスマイでずっとやってきているので当然ではあるが、舞祭組として見せられると新鮮に感じる)。純粋にパフォーマンスに対して興奮したり感動したりする気持ちが、終演に向かう中でどんどん強まっていったので、おそらく間違いない。

 

横尾担なので横尾さん個人についての話をすると、『道しるべ』落ちサビのソロで驚くほど堂々と歌っていて、道しるべ合宿で歌うのを嫌がっていた横尾さんは何処へ……?と良い意味で拍子抜けした。

よくよく考えてみると、公演全体を振り返ってみても『道しるべ』が自分の中でとりわけ印象的だっただけで、見ていて不安になるような様子で歌ったり踊ったりしている横尾さんは存在しなかったように思う。5月にキスマイのコンサートで見た時はもっとふにゃっとして危なっかしく感じられることもあった気がするのに、横尾さんってこんな風にステージに立つ人だったっけ、?と、別人を見ている気分にすらなった。

顔とか表情とかは勿論だけど、立ち振る舞いが凛々しくて自信ありげでとにかく格好よかった。「もっと自信を持て」とこちらが叫ばなくても安心して見ていられる(それはそれで少しさびしい気持ちもあるが)、正真正銘のアイドルだった。

 

これからコンサートに行く人は、不安に思うことなんて本当は何一つないけど、我が子を見守るような不安と期待半々くらいの思いで行った方がいっそ楽しいかもしれない。不安を払拭されるどころか、想像の範囲内でしていた期待すら良い意味で裏切られることが、このコンサートでは確約されているからだ。はっとするような、胸に風がひゅっと吹き抜けるような気持ちを、公演中のどこかで味わえると思う。(ハードルを上げまくっているけどそこまで響かなかったらすみません。)

 あと個人的な考えとしては、一生懸命な舞祭組に負けないくらい全力で村祭りを楽しむ気持ちを第一に持つことが大事かな、と。1日3公演の日もある本人たちに活力で負けているようではいけない……(3公演通して入る人も中にはいるかもしれないけど)。

 

このツアーに関わる全ての人たちに最後まで何事も起こることなく、無事にツアーを終えられますように。まずは大阪公演、お疲れ様でした。

 

 

「好き」ぐらいしか晒せるものがないから「好き」と言う

 

「好き」がめんどくさい。「好き」がつらい。

ジャニオタをやっているとそう思うことがままある。好きと思ったものを、好きでいるだけなのに。

 

めんどくささやつらさの原因は、他人との意見の相違であることが多い。

同じ物事を見ても、それを受けて考えることは人それぞれ違う。似ていることはあっても、完全に同じことはなかなかないと思う。たとえば最近のKis-My-Ft2まわりのことで言えば、昨晩放送の『逃走中』に出演した宮田さんのやや安定志向すぎる振る舞いに対する評価もそうだったし、『プレバト』の横尾さんと千賀さんの順位を知った時の横尾担の受け止め方も様々だったように思う。

でもそれは当たり前のことで、皆なんとなくは知っているはずなのだ。それなのに他人との違いを突き付けられてはじめて、悲しみを覚えている自分の存在に気付くことがある。

それは無意識のうちに、他人が自分と同じ考えの持ち主であることを期待してしまっているからだと思う。理解や共感を得られたという実感が欲しい、仲間と出会えた喜びを味わいたい、味方はひとりでも多い方が嬉しい。そういった欲求が底の方で静かに流れ続けているから。

 

ただ「好き」でいるだけでおもしろく思えないことがこの世に存在するのに、何故それでも「好き」を表明してしまうのか、「好き」について語ってしまうのか。考え続けても答えの出なさそうな問いだと分かってはいても、その解を欲している自分がいた。

そんな中、最果タヒ著『もぐ∞(もぐのむげんだいじょう)』に書かれていた一節と出会った。

誰かと、自分が共有できることなんて本当に少なくて、むしろたぶんほとんどなくて、だから共有とか共感なんて期待しちゃいけないのだけれど、じゃあ、共感されなくても、たとえ否定されたとしても、それでもいいと思える気持ち、そんな場所に晒せる感情なんて「好き」ぐらいだということも、わかってしまった。好きなものを話すことは自分を語ることにはならないのだけれど、でもそれぐらいしか、他人に晒せることってないのだ。好きという気持ちになら、何を言われても、「まあそれはきみの意見だから」と思える気がしていた(現実は違うかもしれない)。

―『グラタンへの愚鈍な好意』より

 

この文章を読んで、仮に自分だけのものだと知ってしまってもどうにかなりそうな感情、それが「好き」なんだと思った。

「好き」は強力な感情だ。強いから、ちょっとやそっとのことじゃ折れないし(折れないせいで時に争いの種にもなる)、誰かと同じじゃなくても別にいいやと諦めがつく。だから外にほっぽり出して外気に当てられても、基本的にはへっちゃらなのだ。

しかし引用最後の(現実は違うかもしれない)に込められているように、日の下に晒されてみたら存外に傷ついてしまうこともあるかもしれない。それでも「好き」を人目に晒したくなってしまうのは、誰かの理解を求める以前の問題として、内に留めておくにはあまりにも強すぎる感情だからかもしれない。自分の中に溜め込んではじけてしまわないうちに、さっさと外に出してしまいたい。その後誰に見つかってどうなるかは二の次。

 

それほどまでに強い気持ちが運よくどこかで誰かのものと交じり、手を取り合うことができたなら、本来わたしがあなたになれない限りわたしたちは絶対に分かり合えないはずなのに、それってとても幸運なことではないでしょうか。

(最後に余談ですが、昨晩の『逃走中』を見たジャニーズwebに登録されている皆さんは、本日更新のKis-My-Ft2連載の宮田さんのページを是非ご覧ください。後輩を素直に褒めるいい先輩です。)

 

 

 

もぐ∞(もぐのむげんだいじょう)

もぐ∞(もぐのむげんだいじょう)