ごねんぶりにどめの

時代を嘆くなって、言ったじゃないか!

さよなら2019年 ~年間オタク現場・活動費を振り返る~

 

2019年が終わるまでいよいよ12時間を切った。新しい年を迎える前に今年1年間の現場を振り返りたいと思う。

 

昨年、上記の記事で初めて現場に行くにあたり年間でかかった費用をざっくりと計算したのだが、今年も同様のことをやってみた。その結果が以下の通りである。

 

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非ジャニーズ関連の現場も一部含まれるが、オタク活動費として一括りにして計算した。

結論から言うと、昨年よりもライブの多ステを控えたにも関わらずチケット代が昨年を1万円強上回った。舞台チケットの単価がコンサートのそれよりも高かったからだと考えている。また今年に入ったくらいから元々所有していたグッズの断捨離を細々と始めるなど持ち物を減らしたいという意識が高くなったので、グッズ代は前年の半分くらいに減った。遠征費は回数が減ったのでそれに応じて金額も減ったな、という印象。

 

今年は舞台に積極的に行きたいと目標を立てていた年だった。実際数えてみると、昨年は4作品5公演だったが、今年は10作品11公演を観劇しており、作品数公演数ともにほぼ2倍となった。十分目標を達成したと言える。

特に印象的だったのはまず『Endless SHOCK』だろうか。ジャニーズ舞台の中で長年続いている作品なので、ジャニーズファンとして足を運ぶ機会に恵まれたのは嬉しかった。行きたいと思ったそもそものきっかけは内博貴さんがライバル役として出演が決まったからということだったが、加えてジュニアの最推しである川島如恵留くんの出演も決まり、なんて自分に親切すぎるキャストなんだ……と知った時には思わず天を仰いだ。加えて稽古中の怪我のため急遽ふぉ~ゆ~の越岡さんから松崎さんにキャストが変更となるアクシデントがあったが、ほぼリア恋枠として松崎さんを推していた自分にとっては、不謹慎ながらも推しがいすぎて目が足りねえ……と幸せな悩みを抱えながら観劇することとなった舞台であった。

あとは内博貴さんと渡辺徹さんの2人舞台『イン・ザ・プール』が、内くんの関西人的なノリと役柄が良い具合にマッチする内容で、個人的に満足度が高い作品だった。満足度の高さの割に公演数が少なく、もっとやってくれてもいいのになとこっそり思っていた。

 

3月から5月にかけてはアニメ『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』劇場編集版の劇場公開が続き、普段映画を全くと言っていいほど見ない自分としてはかなり熱心に映画館に通った。

普段からコンサートや舞台に行っていると「同じように推しが見られるのに、映画のチケット代、破格すぎでは……?」という気持ちになることをこの時期に学んだ。

推しキャラ(一条シンくん)のメイン回が含まれる第Ⅳ章の時は特別力を入れて映画館に足を運んだし、舞台挨拶にも行くことができた。おかげで5月の映画代だけ3月4月に比べて抜きんでている。およそ3か月間、大変煌めきに満ちた日々を送らせていただいた。ちなみにこの作品に関係する展示やコラボカフェにも行ったので、そこでかかった費用も計算すればグッズ代などがもう少し上がるかな、と思う。おそらく1、2万くらいだろうか。

 

コンサート方面の話をすると、昨年6月頃からTravis Japan、中でも特に川島如恵留くんを応援するようになったが(詳しくはこちらの記事)、今年は初めて自力でチケットを取って単独公演に行くことができた。メンバー同士で話しているとさながら幼稚園のようになることはあるが、パフォーマンスで黙らせてくれればそれでいい、とステージを見て改めて思った。自分がトラジャのいちばんの魅力だと感じているのはやはりそこだから。それに相変わらず揃って喋るとわちゃわちゃはするが、毎週更新のYouTubeを見ているとトーク力は徐々に底上げされている印象を受ける。メンバー間でより良くするための話し合いもしているようなので、その結果がきちんと表れているのなら場数を積めばもっともっと良くなるに違いないと期待を込めた目で見ている。

気が付けば如恵留くんに感化されて資格取得の意欲まで湧きあがったり(詳しくはこちらの記事)、サマパラのソロ曲でめろめろにされたり(詳しくはこちらの記事)と、ほんの数年前まで「長くジャニオタを続けてもジュニアにはハマらないだろう」と軽く考えていた自分が嘘のような傾倒ぶりである。これからも自分なりのペースで見守り、応援していきたいと思う。

 

個人的な事情により行きたかったが申し込みを泣く泣く諦めた公演もありはしたものの、概ね行きたいと思った現場には足を運べた1年だった。舞台は基本的に1人で観劇したが、コンサートに行った際はツイッター経由でつながりを持った人たちと連番したり公演前後に食事をしながら感想を延々語り合ったりもできて、本当に楽しかった。身近に同士が不在のオタクにとって、ツイッターは偉大なツールだと機会ごとにありがたく思わされる。

2020年もお金や体力と相談しつつ、オタクとして楽しく過ごせる1年になるように行動したい。そして自分の応援している人たちにとって幸多き1年となることを願う。

 

 

マントを捨てても君はわたしの王子様

 

10月に入ったにも関わらず、日本に過去最強クラスの台風が訪れる季節感の無さ。

そんな中わたしも、真夏に開催されたSummer Paradise 2019(サマパラ)の思い出話をしようとしている。全公演終了した頃に書くつもりだったが、先延ばしにした結果、台風同様季節外れになってしまった。

 

 

その日は第2バルコニーの最前列の席で、うちわもステージから視認できそうな位置だった。普段のコンサートではあまりうちわを振らないが、せっかくなら「あなたを応援している人がここにいるよー!」という気持ちを少しでも伝えられればと思った。

右手に白く光らせたペンライトを常時持ち、左手は通常であればがっしり双眼鏡を持っているところを、移動が多いいわゆるファンサ曲などではグッズのミニうちわに持ち換えてコンサートを見ていた。

 

そしてその時はやってきた。キスマイの『Kis-My-Calling!!』のトラジャ版『TJ Callling!!』の時だった。

曲の最中、ステージ上を移動しながら歌っていた如恵留くんが自分の座席側に近づいてきた。ちょっとでもペンライトとうちわに気づいてくれたらいいなと思いつつ、コール&レスポンスの声を精いっぱい出していた。

すると、如恵留くんがなんだかこちらに気づいた素振りをしたような気がした。

もしや気付いてくれたのではいやいやでもまあ気のせいでもいいやとぐるぐる思考を巡らせて焦ったわたしは、咄嗟に如恵留くんに向かって深々と頭を下げた。

キャーとかワーとか喜んだ声を出すわけでもなく、ペンライトを振り返すわけでもなく、コンサート中に似つかわしくないお辞儀をしてしまったのであった。日頃からの感謝の気持ちがあふれ出てしまったが故の行動だったと後になって思う。

 

そしたらなんと、如恵留くんがこちらに向かって、「いただきます」を言う時のように胸の前で手を合わせたのである。

 

いつもテレビやスマホの画面を通して見ているにこっとはにかんだ笑顔で、「ありがとう」のポーズを取ってくれていた。神様に気づかれたような気分だった。『僕だけのプリンセス』でマントをつけて登場したノエル王子は、マントを外しても王子様のようなまぶしさだった。

 

アイドルに気づいてもらったりファンサをもらったりするためにコンサートに行くわけではないが、『ファンの存在を本人に気づいてもらう』という体験が特別であることは間違いないと実感した瞬間だった。

 

 

 

 

さよなら、プリンス ―『Summer Paradise 2019(Travis Japan公演)』―

 

※ セトリに関するネタバレがあるので避けている方はこの先を読まないでください

 

 

 

8月11日と13日、『Summer Paradise2019』Travis Japan公演に行ってきた。

今年3月の横アリ単独公演ではキスマイの曲が7曲ほどセトリ入りし、トラジャはKis-My-Ft2の曲が多く使う印象があったが、今回も5曲(歌なしの音だけを含めると6曲)使っていた。キスマイファンとしては、ツアーのバックについて素晴らしいパフォーマンスをしてくれる上に、単独ライブで曲も沢山使ってくれるなんてありがたい限りだ。

今回セトリ入りしたうちの1曲に、今年キスマイのライブツアーで披露された宮田さんのソロ曲『僕だけのプリンセス』がある。キスマイの演出は、白馬に乗ったトシヤ王子が姫たち(=ファン)を迎えに来る、というものだったが、これを自担にやられたら幸福の極みだろうなあとツアー開催中に宮田担のプリンセスたちを羨ましく思っていた。

 

しかし今回、なんと、この『僕だけのプリンセス』が如恵留くんのソロ曲として使われたのである。

 

説明が遅れてしまったが、このブログを書いている人間は「DD気質が強いため○○担と自分から積極的に名乗らないようにしているが、トラジャで言うなら如恵留担」と説明できる(少々面倒くさそうな)ジャニオタであり、すなわちキスマイツアーの時に「いいなあ」と羨ましがっていた状況が我が身に起こってしまったのである。

ネタバレを見ずに入った11日の公演は、如恵留くんの声で「ぼーくーだーけのー、プーリーンーセスー」と始まった瞬間、膝から崩れ落ちて隣にいた同行者(ラッキーなことにその人は宮田担かつ今回のセトリを把握していたので自分の反応に対する理解度が高くてありがたかった)にもたれかかるようにしながら「マジですか!うそ、うわー!」とちゃんとした言葉にできないくらい興奮し感激していた。生きてるといいことあるってこういうことなんだと直感した。

 

如恵留くん、いやノエル王子は、白基調のマントをつけて登場した。「元々高貴なオーラが感じられるのに、マントをつけるなんてあまりにも解釈一致が過ぎるだろう……」と思わず頭を抱えた。公演後に一緒に行った人と話した時も、「別に如恵留くんにマントをつけてほしいと思っていなかったが、マントをつけるとなるほどという感じがした」という話になったので、きっとあのマントは如恵留くんが人生で一度は身につけなければならないアイテムだったのだと思う。

はじめノエル王子はバクステに登場し、歩いてメインステージに向かう。バクステで歌っている時には途中で松松の2人が登場し、ノエル王子に向かって片膝をついて敬うような振りがある。これを見て、「トシヤ王子は白馬で姫のいる目的地にまっしぐらに駆けていくけど、ノエル王子は白馬でゆったり移動している道中で道で困ってる人を助けながら進むんだろうなあ」と、同じ曲を歌った2人の王子の違いについて考察(妄想)していた。

メインステージに上がるころには松松以外のメンバーも揃っていて、ノエル王子をセンターにして7人で踊るのだが、この振りはキスマイのライブツアーと同じだったので、ちょっと前までトシヤ王子の後ろで歌っていたのに、と不思議な気分になった。

終盤、曲が転調するところでノエル王子はマントをバサッと脱ぎ捨てる。その瞬間ノエル王子は、いつも見ている通りの美しく踊るトラジャの如恵留くんに変わる。「“トラジャの如恵留くん”は世を忍ぶ仮の姿で、その実平穏な日常を送るために正体を隠している王族の家系の末裔なのでは……?」と解釈してもおかしくない演出だと思う。

「僕は君のプリンスさ」という歌詞でこの曲は終わるのだが、この部分で如恵留くんは手話と思われる動きをする(厳密にはここ以外でもしているがここが一番その動きが目立つ)。それまでポップな曲調で進みそれに合わせた軽快な振りや仕草をしてきたが、最後に音の流れが一旦止まり、アカペラで歌っているような優しく語り掛ける歌い方になる。手話の動きがもたらすゆったりとした空気の中で、改めてステージに立つ如恵留くんを見ると、ノエル王子と如恵留くんの境界がふわっと溶け合うような、不思議な感覚を覚えた。当然頭では分かっているのに、「そうか、さっきマントを翻していたノエル王子は如恵留くんだったのか」と初めて気づいたような、そんな感覚。

 

わたしのサマパラ2019は今日でオーラスを迎えた。ノエル王子に会いたくてももう会えないと思うと切なくなる。胸がきゅっと苦しい。すっと手を差し出せば白い小鳥がその手に留まりそうな高貴な姿は、いっそ夏が見せた幻だったと思いこんでしまった方が幸せなのかもしれない。