ごねんぶりにどめの

時代を嘆くなって、言ったじゃないか!

すきな人の手に初めて触れた日のこと

 

2017年12月17日、福島県桑折町で開催された「舞祭組の、わっ!」発売記念キャンペーン 〜舞祭組の輪を広げる日本行脚の旅〜と題されたラジオ公開収録・ハイタッチ会に足を運んだ。

このために朝(というか深夜)3時半に起きて真っ暗闇の中を駅まで自転車で駆け抜け始発の電車に乗り、新幹線の中ではぼんやり外を眺めていてふと目に入った富士山に「ああ、あれが舞祭組の登ったマウントフジか……」と眠気でぼんやりとした頭の中で反芻していた。行ったところで間に合わずハイタッチできないかもと思うだけで緊張して吐きそうだった。あまりにも必死だったのでおそらく一生の思い出になると思う。しかも会場で配布された整理券がオレンジ色で、無駄に運命を感じたくなった。

公開収録の内容はツイッターにレポを落としたのでここでは割愛し、個人的な感想を書いておこうと思う。

 

ざっくりした表現で恐縮だが、わたしは今回の公開収録・ハイタッチ会に“エモーショナルな何か”を求めていた。それはキスマイについてそれほど明るくない状態で興味本位で行った1月のそれとは違い(参考記事)、今回はキスマイに興味を持ち横尾担として参加した公開収録・ハイタッチ会だったからだ。このおよそ1年の間に大きく変化した自分の感情を思うと、担当に接触できるイベントに行って心を揺さぶられないわけがない、きっと泣くほど感激するに違いない、と期待していた。

しかし実際に終わってみると、一滴の涙を落とすこともなく、また息がしづらくなるほどの狂おしい感情を抱くこともなかった。

公開収録の横尾さんは、わたしがこの1年間で知ってきた通りの横尾さんだった。礼儀正しくて、たまにおどけて、自分の関心事には手を抜かない。だから新鮮な驚きや衝撃は一切なかった。

 

横尾さんとのハイタッチについては正直、自分が何を言ったのか、むしろ何か言ったのかどうかすらも覚えていない。歯ががちがちと音を立てそうなほど寒かったから、口が上手く回らず何も言葉を発せていなかったかもしれない。逆に横尾さんから何らかの言葉をもらったかどうかも覚えていない。

ただ自作の横尾うちわを持参したので、横尾担であることだけは伝わった、と思いたい。横尾さんは左手に持っていたうちわに視線を向け、その後わたしにも目線を合わせてくれた。耳から入る情報が記憶からほとんど消えているが、視覚情報ははっきり記憶に残っている。

ただ、このうちわから自分に横尾さんの目線が向く1秒あるかないかの間、わたしは列の進行に伴い歩みを進めていたのに、横尾さんの右手から自分の右手を離せず、思わず反射的に横尾さんの指先を握るような仕草をしてしまい、後から思い返してめちゃくちゃ反省した。ハイタッチ以上のことはしないで下さいとあらかじめ注意喚起があったし、わたしが手を離すのが遅かった分後方の人にも迷惑をかけたかもしれないと、会場を離れてから記憶を整理すればするほど後悔した。知らず知らずのうちに横尾さんに求めることが強まり、それが今回表に出てしまったのだと思う。うちわを見せながら「好きになれてよかったですありがとうございました」と言ってさくっと去りたかった。

 

このように自分の中で悲喜こもごも味わった今回の公開収録・ハイタッチ会。大きな心の動きがなかった代わりに、この1年間で新規ながらも自分がいかに横尾さんについてのあれこれを見聞きし、“好き”という感情を育ててきたかを認識させられた。帰路につきながら「そうか、わたし横尾さんのことそこまで好きだったのか……」と今さらのように思った瞬間、会場では流さなかった涙が初めて流れそうになった。

 

結果として、この1年間の個人的ビックウェーブを振り返るのに相応しい舞台であることに違いはなく、行けてよかったと心の底から思う。舞祭組の4人をはじめとし、今回の企画に関わったスタッフの皆さま、ハードスケジュールの中お疲れ様でした。そして本当にありがとうございました。

舞祭組待望のファーストアルバムが本人たちの望み通り、オリコン週間1位を獲得できますように。ぱにたん。

 

 

舞祭組の、わっ! (初回生産限定盤B)

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