ごねんぶりにどめの

時代を嘆くなって、言ったじゃないか!

Myojo連載Kis-My-Ft2写真館・横尾渉回についての考察あれこれ

 

(※ 引用によるネタバレがあります)

 

Myojoで連載中のKis-My-Ft2写真館(毎月メンバー1人ずつ写真とインタビューが載る)で、今月号掲載の第6回にして横尾さんの番が回ってきた。

写真館と言うだけあって、とびきりの笑顔やら顔をしかめた時のおでこのシワやら横顔の美しいラインやら、色々見せてもらえて大満足。上手く言えないけど、濃い色の青空の感じなんかがザ・ミョージョーと言いたくなる写真だと思った。

加えて、内容的に軽めの一万字インタビューみたいなテキストも添えられており、やっぱりこういうところがMyojo好き……という気持ちに。ちなみにMyojoの一万字インタビューといえば、キスマイは過去2回載ったことがある。横尾さんの内容は良くも悪くもどストレートな内容でざわつかれたこともあったりなかったりするが、実直さという点においては今回も変わらないように思う。隠すべきことはしっかり隠すことのできる印象なのに、どこか不器用さが見え隠れする言葉たち。「横尾さんって、驚くほど人間らしい人間だ」と読みながら何度も感じた。

 

“メンバーの仕事”が指す意味

 

2018年はメンバーのことを、よりいっそう好きになった。(中略)偉そうに聞こえるかもしれないけど、メンバーの仕事をちゃんと見るようになったからかも。そうしたら、尊敬と憧れの目で見るようになってて。

 

「メンバーをよりいっそう好きになった。メンバーの仕事をちゃんと見るようになった」から始まるインタビューに、一瞬目を丸くした。何も構えずに読み始めて「去年ちゃんと見るようになったの!?」となったからだ。

しかしその後に続く文章も読み進め、言葉の意味をかみ砕く。

 

俺みたいな、こんなガラクタみたいなヤツが、キスマイとして東京ドームの5万5千人の前でステージに立っていられるのは、メンバーのおかげだって、自然と思えたんだよね。メンバーがいるからこそ、俺は素でいられるんだなって。

 

横尾さんの言う“メンバーの仕事”とは、言葉通りの『仕事』という意味よりは、もっと広い『役割』のような意味だと捉えた。個人仕事でグループを離れた時に発揮する能力然り、キスマイが7人そろったときの個々の立ち位置然り、そういうものをひっくるめて『仕事』と呼んだのではないかと思った。他のメンバーの振る舞いが、自然と横尾さんの立ち位置を決めてくれたのかもしれない。

でも“ガラクタみたいなヤツ”はちょっと言葉が過ぎるからね!ガラクタだったら好きにならないから!(唐突な一瞬のモンペ)

 

キスマイのお母さん=???

デビュー当時、「キスマイの母」「キスマイのお母さん」と呼ばれていたことについて。

 

お母さん像って、自分の母親を想像すると思うんだけど、当時は、それをキスマイでやらなきゃって考えていて、でも、お母さんの偉大さには全然勝てなくて。メンバーが俺のキャラを立てるために言ってくれてるのを、勝手に、“ちゃんとお母さんみたいにならなきゃ”って考えて、でも全然できなくて、できないことを隠さないと…って、がんじがらめになってた。

 

「キスマイのお母さんと呼ばれているのにそれに見合わない自分の存在がつらかった」という内容の話は聞いたことがあったが、それは「パブリックイメージに当てはまっていない自分の存在がつらい」のだと思っていた。しかし今回のインタビューで「自分のお母さんみたいに振る舞えない自分の存在がつらい」という考えを持っていたことを新たに知った。間接的に横尾さんの母親に対する敬意が分かるエピソードではあるが、今までの認識と異なる解釈だったので、「そうか、あなたは、自分のお母さんになろうとしていたの……それは難しそうだし苦しそうだな……」と同情心を抱いた。

 

不言実行の男

 

俺は、結果を出したあとで、「実は努力してたんですよね」って言いたいタイプ。資格を取るのだって、取ってから言う方がいいじゃん。まだ取れてもいない段階で、「今、資格を取ろうと思って勉強してます」って言うのは、ただのがんばってるアピールだと思うの。“がんばってる”っていうのは、他人が評価してくれること。達成するまでは言いたくない。 

 

徹底的に不言実行の男でいようとする姿勢を、格好いいと思うのと同時に、自分で自分を頑張っていると思うなら素直に頑張っていると自己評価を下してもいいのに、とも思う。他人から見えるものはわずかで、単純な物差しでしかはかってくれないかもしれないからだ。でも芸能の世界にいるからには、明快な基準でたくさんの人に見てもらうことも大事だろうし、そっちの世界にいない自分には図りかねることもあると思うので、これからも横尾さんが横尾さんらしく歩いていく道に幸あらんことを祈っている。

 

彼を変えた言葉

昔はキスマイの母になろうとして無理していた自分が素を出せるようになった経緯について、「自分に向けられた言葉ではないが、周囲で交わされる言葉に気付きを得たこともあった」と話す横尾さん。

 

俺みたいな性格の人間がストレートにアドバイスもらっても、鵜呑みにするわけないじゃん(笑)。

 

いやー……この文章、めっちゃ良いよね。

このたった一文が、まっすぐなのにひねくれていて、すごくすごく好き。最後のかっこ笑いまで込みで「ああ、これぞ我が認識と相違ない横尾さん像!」と目の前がぱあっと開けて明るくなった。いいよね横尾さん、ほんとこういうところ、いいよね……。こういう、好きになり直す時点の連続で人の好意は続いていく。

 

 

感情が心もちせわしなくなる(かもしれない)テキストと良質な写真が掲載されたMyojo2019年4月号、ただいま発売中ですので是非一読を。

 

MyoJo(ミョージョー) 2019年 04 月号 [雑誌]

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